FC2ブログ

脱原発・基本命題集 高木仁三郎かく語りき (4)原発は、いかに巨大な量の放射能を蓄えているか

脱原発・基本命題集 高木仁三郎かく語りき (4)原発は、いかに巨大な量の放射能を蓄えているか

 脱原発に生涯を尽くした科学者がいました。高木仁三郎(1938-2000、物理学、核化学)。なぜ脱原発なのか、忘れてはならない彼の言葉を、ご紹介します。個人的利害や社会的立場、思想・信条や好き嫌いなど趣味の違いを超えて、日本と世界の未来を真剣に考えようとする人にとっては、必ず知っておくべき基本命題集です。

【原発が、いかに巨大な量の放射能を蓄えているかを理解しておくこと。100万kW級の原発1基は、1日で広島型原爆3発分、年間700~1000発分の核反応に相当する。】
 まず、広島と長崎の惨禍を思い起こせ。これに比べて原子力発電が、どのくらいの量の核反応を起こしているのか、正しく知っておく必要がある。一〇〇万キロワット級の原発一基は、広島の原爆を一日三発ぐらい爆発させる分の反応を、二四時間かけて起こさせる。一年運転すると、広島型原爆七〇〇から一〇〇〇発ぐらいの量になる。この巨大な量の放射能を炉心に蓄えながら、高温高圧で運転し続けるという状態にいつもあるということが、原子力発電所のもっている基本的な厳しさで、ここからすべての問題が発しているといっていい。
 「原子力発電は、制御してゆっくりと核分裂を起こさせていて、原爆のように爆発的にウランを燃やさない、という言い方がよくされています。それはある意味ではその通りで、原爆のように原子力発電所がいつも爆発を起こしていると考えるのは誤りですが、しかしゆっくり制御されて燃やしているとだけいうと、逆の意味で誤解されるおそれがあります。実際に現在使われているような大型の原子力発電所では、一〇〇万キロワットとか、大きな電力を取り出すために、とても激しい反応が行われているといってもいいのです。
 一〇〇万キロワット級の原発は、広島の原爆を一日三発ぐらい爆発させる分の反応を二四時間かけてやっています。広島の原爆の場合には、それが一〇万分の一秒よりももっと速いくらいの時間で一気に爆発した。それに比べれば確かにゆっくりですが、総体としては大変な量を燃やしている。
 一年運転すると、広島型原爆七〇〇から一〇〇〇発ぐらいの量になります。当然とても大きな量の放射能がその炉心に溜まってきます。これが何らかの形で外界に漏れ出すのが原発事故の基本的な形であり、恐ろしさなのです。巨大な量の放射能を炉心に蓄えながら、高温高圧で運転し続けるという状態にいつもあるということが、原子力発電所のもっている基本的な厳しさで、ここからすべての問題が発しているといっていいのです。」
(高木仁三郎(1938-2000)『高木仁三郎著作集 第一巻 脱原発へ歩みだすⅠ』原発事故―――日本では? 第1章 事故の怖さⅠ、p.272)


 さて、まとめとして、高木仁三郎の遺志を継ぐ原子力資料情報室(CNIC)の、とてもコンパクトで分かりやすくまとめられた「なぜ脱原発?」に、上記命題を追記しておきましょう。

(以下、出典:なぜ脱原発?原子力資料情報室(CNIC)
原子力に頼らない社会をめざす「10の理由」
脱原発とは、その名の通り「原発(原子力発電所)のある社会から脱け出すこと」。でも、私たちはなぜ、脱原発を目指さなければならないのでしょうか。数ある答えの中でもCNICが特に重要と考える、脱原発の「10の理由」をお話します。
1. 放射能災害の危険性がある。
 原子核の核分裂反応を利用して電気をつくる原発では、反応のコントロールに失敗するとチェルノブイリ原発で起きたような爆発事故が発生します。また原子炉を冷やすことに失敗すれば、福島原発で起きたようなメルトダウン事故も起きてしまいます。これら原発の大事故は、寿命の長い放射能を大量に放出するため影響が長く続き、甚大な放射能災害をもたらします。このまま原発の運転を続ければ、地震や津波、人為的ミスなどさまざまな原因によって、またいつ次の大事故が起きても不思議ではありません。」
(補足1)核技術は、46億年かけて育まれたこの地球の環境には存在しなかった物質を、つくり出してしまう。
(補足2)この地球のあらゆる循環と生命の営みの原理である化学反応の世界よりも、100万倍も強い力の世界が核反応の世界だ。それは、一歩間違えれば、もはややり直しがきかないような事故のリスクを抱えている。
(補足3)人間は全知全能ではあり得ないから、必ず間違いや事故の可能性がある。したがって、試行錯誤や、やり直しが許されないような技術は、廃棄すべきである。宇宙開発、化学物質の製造、遺伝子組換えも、同様の観点での検証が必要だ。
2.放射性廃棄物という「負の遺産」を発生させる。
 もし仮に大事故は防げたとしても、原発を動かしている限り、さまざまな放射能のごみが大量に発生し続けます。それら放射性廃棄物の中には10万年以上も隔離が必要なものも存在し、このままでは後世にゆだねる「負の遺産」がますます増える一方です。未来の負担、子孫の負担を少しでも小さくすることを、私たちは真剣に考えなくてはいけません。」
(補足1)原発が、いかに巨大な量の放射能を蓄えているかを理解しておくこと。100万kW級の原発1基は、1日で広島型原爆3発分、年間700~1000発分の核反応に相当する。
3.核拡散の危険性がある。
 原発も原爆も燃料は同じで、「ウラン」または「プルトニウム」です。原発の燃料である「低濃縮ウラン」をつくる作業を繰り返せば、原爆の燃料である「高濃縮ウラン」は容易に手に入ってしまいますし、また原発の使用済み燃料に含まれる「プルトニウム」は再処理工場で取り出すことが可能です。したがって原子力発電を続ける限り、新たに「核兵器国になろう」とする国や、「高濃縮ウランやプルトニウムを奪って核爆弾をつくろう」とする集団が現れることを防げません。またこれらの動きを封じ込める名目で「核管理社会」化が進めば、人権が制限され、危険を知るための情報も隠されて、充分な備えのないままに原発事故が起きてしまう可能性も否めません。
4.事故がなくても、労働者の被ばくをともなう。
 原発の中では、元請け-中請け-下請け-孫請け-ひ孫請けと何重にも差別された多くの労働者が働いています。そして被ばく全体の95パーセント以上が、「電力会社の社員以外」の人たちの身体で起きています(平常運転時)。
 原発だけでなく、ウランの鉱山使用済み燃料の再処理工場においても、大勢の人たちが放射線を浴びながら働いています。労働者の被ばくなくして、原発は動かないのです。
5.関連施設にも、大きな危険や問題がある。
 原子力発電では、ウラン鉱石を掘り出し燃料を製造する施設や、放射性廃棄物のあと始末をする施設など、いわゆる核燃料サイクルの関連施設が数多く必要となります。これらの施設も原発同様で、さまざまな事故の危険性を抱えており、労働者が被ばくし、また放射能のごみを大量に発生させています。
6.地域の自立や平和をそこなう。
 原発の立地自治体では、電源三法交付金などにより財政が一時的にうるおうため、これに依存することにより地域の経済的な自立が妨げられます。また、地域住民の間にそれまで存在しなかった「賛成」「反対」の対立を持ち込むことも、たいへん大きな問題です。
7.常に情報の隠ぺいやねつ造などが、つきまとう。
 原発をめぐる産・官・学の特定の関係者の間で「原子力ムラ」と呼ばれる風土が形成され、オープンな議論ができない環境ができあがっています。科学や技術の分野には批判的精神が不可欠ですが、研究費や人事を通してそれらが損なわれ、原子力の研究にかかわる大学や研究者には利益相反の疑いも生じています。
8.省エネルギーに逆行する。
 原子力自動車や原子力ストーブが存在しないように、原子力はほかのエネルギー源と違って、電気の形にしなくてはエネルギー利用ができません。しかも発電時のロスはきわめて大きく、発生した熱の65パーセント以上が温排水として海に捨てられてしまいます。また原発は、電力需要の変化に合わせて出力を変えられないため、出力調整用の発電所が必要となります。つまり原発を動かすために、火力、水力などの発電所が余分につくられてしまうのです。このように原子力はエネルギー源としてたいへん無駄が多く、省エネルギーに逆行する存在なのです。
9.実は、温暖化をすすめる。
 上で説明したように原発を増やせば、ほかの発電所も増えてしまいます。したがって原発が火力発電所よりもCO2を出さないとしても、原発のある社会では火力発電所も必要とするため、最終的にCO2を減らすことは叶わず温暖化を止めることもできません。それどころか、CO2の削減に最も効果的な「省エネルギー」に逆行する原発は、むしろ温暖化をすすめる存在です。原発に膨大な予算が注ぎ込まれることで、私たちの社会は、より有効な温暖化対策に使うべきお金を失っているのです。
10.実は、大停電を起こしやすい。
 大きな地震などがあると、多くの原発がいっせいに止まってしまうことがあります。そしていったん停止した原発は、再稼働するまでに多くの時間がかかります。また電力消費地から遠く離れた場所にしか建てられない原発には、長距離の送電が必要となります。そのため電圧や周波数の維持が困難になり、送電が止められてしまうこともあります。このように原発は、安定的な電力供給どころか、大停電につながる要因を数多く抱えています。原発の占める割合が大きいほど、止まれば大停電になりかねません。」
(出典:なぜ脱原発?原子力資料情報室(CNIC)

高木仁三郎(1938-2000、物理学、核化学)
原子力資料情報室(CNIC)
Citizens' Nuclear Information Center
認定NPO法人 高木仁三郎市民科学基金|THE TAKAGI FUND for CITIZEN SCIENCE
高木仁三郎の部屋
高木仁三郎の本(amazon)
検索(高木仁三郎)
ニュース(高木仁三郎)

原子力市民委員会(2013-)
原子力市民委員会
Citizens' Commission on Nuclear Energy
原子力市民委員会 (@ccnejp) | Twitter
検索(原子力市民委員会)
ニュース(原子力市民委員会)

今後、数十年間、忘れないで注意する必要がある!

(出典:放射能汚染地図(八訂版)早川由紀夫の火山ブログ

(出典:放射能汚染地図(八訂版)早川由紀夫の火山ブログ

(出典:放射能汚染地図(八訂版)早川由紀夫の火山ブログ

(出典:放射能汚染地図(八訂版)早川由紀夫の火山ブログ

(出典:放射能汚染地図(八訂版)早川由紀夫の火山ブログ

(出典:放射能汚染地図(八訂版)早川由紀夫の火山ブログ

(出典:放射能汚染地図(八訂版)早川由紀夫の火山ブログ

もし、ほんの少し運が悪ければどうなっていたか。決して忘れないこと!
 ※日本とチェルノブイリの汚染範囲が、同じ縮尺で描かれています。

(出典:放射能汚染地図(八訂版)早川由紀夫の火山ブログ


命題集 未来のための哲学講座

にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2019年08月 | 09月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31


最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

未来のための哲学講座 編集部

Author:未来のための哲学講座 編集部
未来のための哲学講座(命題集)
命題集,哲学,思想パーツ集,コンセプト集,真に拠り所とすべき情報群,事実群,処世術集,忘れ去られた夢や理想の発掘

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR